へなちょこ英会話スクール(Mind Your Language)

2021年10月15日

myl(画像:ウィキペディアより)

イギリス70年代の古きよき時代のシットコムです。
風刺や皮肉がたっぷりきいています。
40年前のあの頃はまだ規制がゆるかったので、偏見だらけの内容でも許されたんですね。
(今こんなセッティングでドラマや映画を製作したら訴えられるでしょう・・・)

 

へなちょこ英会話スクール(Mind Your Language)のあらすじ

舞台は70代のイギリスの英会話学校。
さまざまな国籍の生徒が英語を勉強しに登校してきます。

今日から講師として採用されたブラウン氏。
「前任の講師は『ここの生徒たちは手に負えない』といって退職しました」
と、校長から聞かされます。

彼のクラスの生徒たちは、自分たちの国を代表しているかのように、それぞれの国から生徒が1人ずつ。
生徒全員が、それぞれのお国柄を表現するようなキャラクターを持っているのです。

そしてブラウン講師の英語のレッスンが始まります。

70年代のユーモアなのでかなりのステレオタイプ(偏見)が入り混じっています。
21世紀の今、同じ内容のシットコムを作って放送したらおそらく苦情の嵐だったに違いありません。
そんな背景を踏まえたとしても、現在でも楽しめるシットコムです。

 

へなちょこ英会話スクール(Mind Your Language)の職員

・イギリス人英語講師

ブラウン講師は人のいい真面目なタイプ。
オックスフォード大学卒の生真面目なイギリス紳士といったところでしょう。

面倒見がいいので生徒からも慕われています。
風邪を引いたときには生徒全員がお見舞いに来たり、生徒の家に招待されたりしています。
毎回、ひと騒動あり、真面目なブラウン先生はいつも巻き込まれてしまいます。

・英会話学校の校長

コートニー校長は、典型的なイギリス女性。
強気で礼儀に厳しく、フェミニストでもあります。
悪い人ではないのですが、みんなが彼女に怯えています。

・用務員のおじさん

シドニーはコテコテのロンドン訛り。
訛りだけならまだしも、ロンドン特有の「韻」を踏んだ文章で話します。
それはブラウン講師でさえもしばしば混乱させます。

フレンドリーな彼は、生徒たちにもよく話しかけるのですが、いかんせん訛りと変わった文章で話すので、生徒たちにも混乱をもたらすことも。
この人も悪い人ではないのですが、勤務中に酔っていたり、生徒に酒を買ってこさせたり・・・といったこともあります。

・校内のカフェのおばさん

グラディスも典型的なイギリス女性ですが、校長とは違い、フレンドリーです。
ブラウン講師をよく助けてくれます。

 

へなちょこ英会話スクール(Mind Your Language)の生徒たち

・フランス人の女生徒

ダニエルはいつもお色気たっぷりで、「愛」のことについて話すのが好きです。
男子生徒たちは彼女のことが大好きです。

彼女は、ブラウン講師のことが気に入っていて、授業中でもかまわずに誘惑してきます。
短期間ですがスウェーデンの女性が在籍していたころ、ダニエルは彼女に対して勝手にライバル意識を持ちます。
「R」の発音のときは、フランス特有の「R」の発音で話すのが彼女の特徴です。

・イタリア人の男性生徒

ジョバンニはいつも楽天的、そして声が大きいです。
フランス人の女生徒にいつもちょっかいを出しています。
クラスでは、わざと間違った答えで生徒たちからの笑いをとろうとします。
そして彼は身振りがとても大げさ。
困ったことがあると「サンタ・マリーア!」「ホーリー・ラビオーリ!(聖なるラビオリ?笑)」と叫んで、神に祈りを捧げます。
けんか腰の口調になるときは、けんか相手をイタリア料理の名前で呼びます。

・中国人の女生徒

スーリは、いつも礼儀正しくきちんとしています。
彼女がいつでも崇拝しているのは毛沢東であり、毛沢東語録をいつも持ち歩いています。
意見を述べるときには毛沢東語録を参考にすることが多く、そんなとき、ブラウン講師は「いろんな意見があるからねー」とやんわりとかわしています。

・パキスタン人の男性生徒

いつも頭にターバンを巻いているアリーは、クラスでもよくしゃべるタイプです。
丁寧な口調でぺらぺらと話すのですが、英語を勘違いして聞き取るのがかなりコミカルです。
彼自身はムスリムなので、同じクラスのインド出身のシーク教のランジートと口論になることが多々あります。

「Yes」とか「Yes, thank you.」と言うところを、いつでも「Yes, please.」と言います。
そして「Excuse me, please.(すみません、お願いします)」と言いたいのでしょうが、かれの発音だと「Squeeze me, please.(私を絞ってください)」に聞こえるのが笑えます。

・インド人の男性生徒

ランジートは、敬遠なシーク教徒。
だから、ムスリムのアリーとはライバル意識を持っており、しばしば喧嘩に発展することも。
普段はとても丁寧で愛想がよく、間違えたりすると「Thousand apologies.」といって手を合わせます。
しかし、ひとたび怒りに達すると、シーク教独特のナイフを持ち出して脅してきます。
そのギャップが笑えます。

・スペイン人の男性生徒

ホアンはとってもラテン気質。
登場した当初はほとんど英語を話さず「Por favor(英語で「Please」:お願いします)」と答えるだけでした。
回がすすむにつれて、英語が分かっているのか?分かっていないのか?微妙な感じになってゆきます。

それなのに自分の答えにはかなりの自信があるようで笑えます。
彼の表情から話の意味が分かっているんだろうなーということがよくあるのですが、彼に都合が悪いときには「Por favor」ととぼけるのが絶妙です。
おそらく確信犯でしょうねー。
彼もけんかっ早く、イタリア人生徒のように相手をスペイン料理の名で呼んだりします。

・ギリシャ人の男性生徒

マックスは、ギリシャ彫刻のように顔の彫りが深いです(これは私の偏見です)。
フラットメイト(部屋をシェアすること)のジョヴァンニといつも行動を共にしています。
彼の訛りも強く、なんにでも「H」を付けて発音することが多く、それがブラウン講師や他の生徒を混乱させることがよくあります。

・ドイツ人の女生徒

アナはがっしりした体型で、表情はいつでも真面目です。
力も強く、マックスにパンチをお見舞いすることも。

正直で、しっかりしていて、口調は強めのトーンです。
ドイツ人なので「V」と「W」をあべこべに発音をします。
彼女の発音も、ときにブラウン講師を混乱させてしまうことがあります。

・インドの女生徒

ジャミーラの職業は主婦。
クラスの中で編み物をする姿がよく見られます。
入学してきた当初は英語をほとんど話さず、インドとパキスタンの言語であるパンジャーブ語をまくし立てることもしばしばありました。
でも、クラスに主婦が一人いると、面倒を見てくれたり、クラス内の雰囲気を和らげてくれる役割を果たしてくれます。

・日本人の男性生徒

へなちょこ英会話スクールには日本人生徒も在籍しています。
彼の名前は「ナガズミ タロウ」さん。

彼はいつでも礼儀正しく、スーツを着てクラスにやってきます。
そして、いつでも首からカメラをぶら下げています笑。
(70年代の日本人のイメージは「カメラ」だったんですね)

彼はよくお辞儀をし、そして「ああ、そう!」を繰り返します。
本人はとても丁寧に会話をしているつもりなのでしょう。
でも、この「あー、そう」はときに「asshole(おしりの穴)」と聞き間違えられることがあり、先生をどきっとさせます。

・その他の生徒

スウェーデンからイングリッド、、ハンガリーからゾルタンが短期間でやってきます。
イングリッドはブラウン講師が気に入っており、フランス人女性とのダニエルとしばしば取り合いになります。

どうでしょうか?
偏見だらけのセッティングですよね?
(今こんなセッティングでドラマや映画を製作したら訴えられるでしょうね・・・)

でも、登場人物は全て仲が良いので、安心して笑うことができます。
へなちょこ英会話スクールの原題は「Mind Your Language」。
外国人生徒が引き起こす英会話での勘違いを面白おかしく表現しています。

でもブラウン講師もコートニー校長もいたって真面目に仕事をしているので
「へなちょこ英会話スクール」だと学校自体が「へなちょこ」になってしまって、ちょとフェアじゃないのではと感じました。

個人的には「へなちょこ英会話スクール(Mind your language)」は、英語版のDVDでしか見たことがありません。
日本では、ケーブルか何かで放送されていたようですね。
吹替か字幕かは知りませんが、どんな感じの翻訳だったのか機会があったらぜひ観てみたいです。

そのため、字幕・吹き替え版のDVDがあるかどうかは分かりません。
日本のアマゾンでは、英語版のみ入手可能です。

Mind Your Language – Complete Series コンプリートシリーズ

イギリスではいまだに「へなちょこ英会話スクール(Mind your language)」の人気は根強いです。
イギリスのシットコムのDVDなら、イギリスのアマゾンで購入するのもお勧めです。

イギリスでは映画、ドラマ、シットコムのDVDは、ある程度の期間が経つと格安になることが多いです。
そのため、日本のアマゾンで購入するよりもお得に購入できることがよくあります。

残念ながら現在のところ、日本アマゾンのアカウントはイギリスでは使えないので、イギリスアマゾンのアカウントを作成する必要があります。

でも、一度作ってしまえば、日本アマゾンの操作方法とほとんど同じです。
イギリスアマゾンでしか手に入らないDVDを注文することができます。

Mind Your Language – Complete LWT Series (イギリスアマゾン)