Good Neighbors/The Good Life イギリスのシットコム
(画像:「BBC」より)
「The Good Life」は70年代のイギリスのシットコム。
当時のイギリスではかなり人気のシリーズでした。
・エキセントリックなリチャード・ブライアーズ(Richard Briers)
・愛らしいフェリシティ・ケンドール(Felicity Kendal)
・イギリス紳士のポール・エディントン(Paul Eddington)
・上品で優雅なペネロピ・キース(Penelope Keith)
この4人を中心にストーリーが展開します。
それぞれの持ち味が絶妙に活かされているのが魅力です。
70年代のイギリスのシットコムは優れた作品が多く「The Good Life」もその中の一つであり、アメリカでももちろん人気になりました。
でもアメリカでは、同タイトルの番組がすでに存在したため「Good Neighbors」にタイトル変更され放映されました。
「Good Neighbors/The Good Life」のあらすじ
40歳の誕生日を迎えたトム・グッド(リチャード・ブライアーズ)。
これまで順調に生きてきた人生なのに、「何か」が違うと感じます。
愛妻のバーバラもその「何か」について一緒に考えますが、やっぱり分かりません。
モヤモヤとしたまま、隣に住む上司のジェリー(ポール・エディントン)の車に同乗して職場に向かいます。
職場では、若い後輩たちに年寄り扱いされたり、別の上司からは意味のない要求をされたり。
40歳という節目がそうさせるのか、順調にこなしてきた設計士の仕事から心が離れてしまいます。
中年男性の多くが感じる「僕がしたかったのは本当にこれなのか?」的な感覚なのかもしれませんね。
帰宅したトム。
彼はまだ、その「何か」について考えをめぐらしています。
夜中の3時になってもトムが布団に入らないので、バーバラが心配して様子を見に降りてきます。
トムはノートにいろいろと書き出して、ようやく結果を導き出したのです。
その結果というのが「自宅を利用して『自給自足の生活を送ること』」でした。
幸いにも、彼の自宅は大きな家々が立ち並ぶ通りの一つ。
辞めてしまった職場から良い給料をもらっていたこともあり、家のローンはありません。
生活がひっくり返ってしまうようなトムの決断に、はじめこそ戸惑いの表情を見せたバーバラでした。
でも「夫婦は似ている」とよくいうように、彼女もなかなかのエキセントリックなキャラクター。
トムのアイデアにすっかり賛同してしまいます。
夜明け前の暗闇の中の庭で、新しい人生を祝う舞を踊る二人・・・。
そうして翌日から彼らの自給自足の生活が始まるのです。
そんな騒ぎに起こされて、隣の2階の窓からジェリーがたしなめます。
何の騒ぎか窓の外を見るように彼をせっついていたのは妻のマーゴット(ペネロピ・キース)。
ジェリー夫妻とトム夫妻は、家族ぐるみのつき合いをしてきました。
マーゴットたちはイギリス中流家庭の暮らしをしている保守的なお宅。
トムたちが自宅の庭を畑にしたり、豚や鶏を飼ったり、くず野菜を近所から集めたりと、住宅街の風紀を乱すようなことを始めるたびに冷ややかで批判的な態度を隠せずにはいられません。
ことあるごとに「ジェリー?!」と夫を呼んで、何とかさせようとします。
そんな二家族のギャップ、それぞれのキャラクターが実にコミカルです。
でも、そんなすったもんだをくぐりぬけて両夫妻の友情はさらに深まっていきます。
トムたちの四季を通した自給自足の生活は興味深いものがあります。
豚、鶏、山羊を庭で飼育したり、前庭ではネギを作ったり。
栽培した野菜を販売してみたり、家畜の糞から自家電力を作ってみたり。
バター、ワイン、パンなども自家製です。
トムとバーバラのように楽しく暮らせるなら「自足時給の生活もいいな」と感じてしまいます。
個人的に気に入っている回は、トムがバーバラにドレスを贈る回です。
自給自足の生活は土にまみれて色気もなくなってしまいます。
そんな生活を楽しんでいるバーバラも、やはり一人の女性です。
最後にホロリとさせられる回です。
それからクリスマスの回も素敵です。
トム宅でのパーティに招かれたマーゴットたち。
何もかも手作りであることに気をもんでいたマーゴットをトムが一括します。
マーゴットはトムたちの生活を認めてはいるものの、プライドが許さなかったのでしょう。
彼のたしなめで、マーゴットはクリスマス精神を取り戻します。
ペネロピ・キースは、「To the manor born」というマナーハウスにまつわるシットコムで主演しています。
そのシットコムで、彼女は上流階級の凛とした女性を演じています。
そんなペネロピの大ファンなので「The good life」では、彼女が登場するシーンは、すべて鳥肌が立つぐらいうれしいです(マニアックですが)。
背が高く、気品があって凛としたペネロピがそこにいてくれるだけで、その場が華やかになるような気がします。
上品な振る舞いなのに、コミカルな演技をしてしまうところがチャーミングです。
もちろん、その他の登場人物も魅力がたっぷりなので見逃せません。
フェリシティ・ケンドールは最近では「ローズマリー・アンド・タイム」というサスペンスドラマに出演しています。
日本でも放送されたことがあります。
ポール・エディントンは、「Yes Minister」で英国首相として主演しています。
傀儡政権、イギリスの皮肉がたっぷり詰まったシットコムです。
リチャード・ブライアースはBBCのスコットランドを舞台にしたドラマ「 Monarch of the Glen」や、舞台でシェークスピアの芝居などで演じました。
ポール・エディントンは1995年、リチャード・ブライアースは2013年に亡くなっています。
当時の4人は人気の俳優陣でした。
特に、フェリシティ・ケンドールの愛らしさに心奪われた人が多かったようですねー。
70年代のコメディなので、服装や背景が古臭く感じる箇所もあります。
それがかえって、ノスタルジックで親しみやすい感情を抱かせてくれるのも事実です。
特にレトロな食器や家具は逆に新鮮です。
もちろん、現在でも十分に楽しめるユーモアが盛りだくさんです。
下品な描写や下ネタもありませんし、随所でホロリとさせてくれるところもあります。
家族で見るのにもおすすめです。
英語のリスニングに使うなら、やはり「英語音声」で「英語字幕」のDVDを使うのがお勧めです。
イギリスの作品なら、「日本のアマゾン」よりも「イギリスのアマゾン」から直接購入した方が割安になることが多いです。
送料を含めたとしても、です。
現時点では、日本アマゾンのアカウントをイギリスのアマゾンでは使えません。
そのため、イギリスのアカウントを新規で取得しないといけません。
でも一度作ってしまえば、イギリスも日本も操作方法は似たようなものです。
イギリスならではのDVDがたくさん格安で手に入れることができます。
私はイギリスの映画、コメディ、ドラマのDVDはすべてイギリスのアマゾンから注文してしまいます。
これまですべて問題なく到着しています。
やっぱり、リスニングは数をこなすのが王道かなと思います。
頑張ってするのもいいですが、楽しめるなら楽しんでしまった方がいいですよね?
特にポール・エディントン主演の「Yes Minister」は、大人のイギリス英語を勉強するのにオススメです。
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