Absolutely Fabulous(アブソリュートリー・ファビュラス:イギリス)
(画像:「BBC」より)
アブソリュートリー・ファビュラス(Absolutely Fabulous)は、イギリスのシットコムです。
タイトルである
「Absolutely Fabulous(アブソリュートリー・ファビュラス)」
の意味は、
「かなりすごい」
「半端なく見事」
「ビックリするほどハイレベル」などであり、
略して「AbFab(アブファブ)」とも書かれたりします。
(イギリスの発音では「リュー」というよりは「アブソルートリー」)です。
主人公はロンドンの高級住宅街に住む二人の女性。
「女性がたくさん登場するシットコム」なので、女性にお勧めなのですが、ちょっとクセがあるので好き嫌いが分かれるかもしれません。
イギリスでもいろいろ意見があるみたいです。
その理由は・・・。
とっても濃いキャラの2人の主人公
主人公は、キャリアとしては申し分ないステータスを持つ2人の女性。
PR会社社長である「エディナ(ジェニファー・サウンダーズ:Jennifer Saunders)」:
ファッション雑誌の編集長をしている「パッツィー(ジョアナ・ラムリー:Joanna Lumley)」。
自立した彼女たちの日常を描いたシットコムなのですが、この二人のキャラがとっても濃いのです。
職業柄なのか、イギリス女性だから(?)なのか、ウーマンパワーが炸裂します。
自由で豪快なのです。
第一話は、エディナの二日酔いでエピソードが始まります。
朝の9時半に目覚ましが鳴り、やっと目を覚ますエディナ。
既に遅刻です。
「パニックだわ、パニックだわ」
そう言って、自分を落ち着かせるために無意識につかんで飲もうとするのがお酒のボトル笑。
窓を開ければ、すっかり昇った太陽が眩しすぎます。
クラクラとめまいを起こし、慌ててサングラスをかる笑。
キッチンでは、娘のサフロンがすでに朝食をとっています。
ガウンのままキッチンにやってくるエディナ。
鼻歌を歌いながら、二日酔いしていないふりをします。
「どうやったら私が二日酔いってことをあなたに確信してもらえるのかしら」
などと言いますが、どうやら彼女の二日酔いは日常茶飯事のようです。
そして、パッツィーはエディナの古くからの友人です。
ヘビースモーカーなので、いつもタバコを手に持っています。
タバコだけでなく、お酒もヘビーにくらいます。
そして、することなすこと大胆だったり大雑把だったり。
言葉遣いも乱暴なことが多いです。
二人ともファッション関係の業界に身を置くという共通点があるせいか、お互いの家だけでなくオフィスにも顔を出し合うことが多い。
そしてオフィスにも常備してあるアルコールを飲みながら、タバコを吸いながら・・・というのが日常なのです。
サフロン、エディナのママ、バブル
主役の二人に加えて、強烈なスパイスを投じているのが、娘のサフロン(ジュリア・サワラ:Julia Sawalha)です。
「サフィー」とよく呼ばれています。
サフィーはすべてのことを完璧にこなす優良児。
「どちらが母親か分からなくなる!」
ってシチュエーションがとても多いです。
(多分、ティーネイジャーと母親が入れ替わったら?と念頭に置いて観るとちょうどいいかも笑)
エディナだけでなく、毒舌で多弁なパッツィさえも上手にあしらいます。
あんな風に弁がたつと、聞いていて面白いだけでなく「なるほどー」と感心してしまいます。
ティーネイジャーのような母親に代わり、サフロンは家やその他諸々の面倒をよく見ます。
いつでも冷静な彼女の言うことは正しく、言われっぱなしのエディナ(とパッツィー)はイラっとすることが多い。
それからエディナのお母さん(ジューン・ウィットフィールド:June Whitfield)。
可愛いおばあちゃん風の彼女ですが、エディナを育て上げ、しばしばパッツィーの面倒も見てきたせいか、実はたくましいのではと思ってしまいます。
放つ一言一言がちょっと毒舌で、それがエディナを一撃することもしばしば。
無邪気なフリをしているだけなのかもしれません。
エディナとパッツィーに無下に扱われるサフィーを味方してくれます。
エディナのお父さんはシリーズ初期の頃に亡くなっています。
姿を現すことはありませんでした。
それから、エディナのアシスタントであるバブル(ジェーン・ホロックス;Jane Horrocks)。
スレンダーでとっても可愛い彼女。
でも、しゃべらない方がいいタイプかもしれません。
本人は仕事をこなしているつもりでいるようですが、話し方も、話している内容もアレレ?なことが多いです。
役に立っていないのは明らかで、エディナもこの娘に任せて大丈夫?という表情をよく見せます。
ただ、エディナとパッツィーを追いかけてフランスに滞在する回では、ちょっとした通訳しているのでフランス語ができる様子。
さらに、催眠療法を受けたバブルがいきなり有能になる回もあります。
エディーを横に追いやって仕事をバリバリこなしています。
そして、シリーズ3がスタートしてバブルが再登場するシーン。
「うわー」と、歓声が上がります。
人気キャラであることが伺えます。
(参考:「シットコムの笑い声」)
気に入っているシーン1
気に入っているエピソードやシーンはたくさんあります。
「へぇー」と声を上げてしまったのは、エディナとパッツィーがアメリカにエディナの息子を探しに行く回でのシーンです。
渡航の際にはパスポートを提示しますよね。
で、なぜかパッツィーのパスポートは緑色。
イギリスの古いパスポートの色は緑なのです笑
開いたページには、ウン十年前の若かりしころ、麗しいパッツィーの写真が笑。
「最近の写真ですか?」
という質問に、当たり前でしょうよと言わんばかりに、
「そうよ」
と返事をするんですね。
ジョアナ・ラムリーは(女王陛下の007)に出演していました。
ジョアナ・ラムリーはこのシットコムでハチャメチャで体当たりの演技を惜しげもなく披露してくれます。
この人のけだるそうにする姿や表情、特にタバコを吸う姿は、「パッツィー」という人物をユーモラスで魅力的に印象づけていると思います。
とても素晴らしい役者だと思います。
もちろん、エディナ役のジェニファー・サウンダースも表情豊かで素晴らしいです。
彼女は脚本も手がけています。
ジェニファー・サウンダースはアメリカの大人気シットコムの「フレンズ」にも出演したことがあるんですよ。
シーズン4で、ロスがイギリス人彼女のエミリーと結婚式を挙げるためにロンドンにやってきます。
そのとき、エミリーの父と継母に会います。
その継母役がジェニファー・サウンダースです。
なんともやる気のない感じの継母で、ロスにねっとりと話しかけるのが印象的でした。
ロスも「えっ?」というような表情を見せます。
ちなみに、父親役の「トム・コンティ」もなかなかクセのある演技でした。
二人セットで印象に残っている人も多いのではないでしょうか。
気に入っているシーン2
サフロンがエディナやパッツィーとやりあう会話のシーンはいつもお気に入りです。
パッツィーはファッション雑誌の編集者という設定です。
でも、いつもエディナの家や職場にたむろって飲酒したり喫煙したりしているので、
「何の仕事をしているんだっけ?」
というような素朴な疑問を視聴者も持っていたはず。
で、シーズン1の最終エピソード「Magazine」で、パッツィーの職場を知ることになります。
サフロンを交えた朝のテーブルでの会話で、それがだんだん明らかになります。
いつものようにけだるそうにタバコを吸うパッツィー。
そして、おもむろに言います。
パッツィー:私、オフィスに行くわ。
(は?という表情をするサフロン)
(なぜかうろたえるエディナ笑)
エディナ:あなたの・・・オフ、オフ、オフィス・・・よね。
The magazine?まだあるのかしら?
パッツィー:もちろんあるわよ。会議があるからね。
10分ぐらい行ってくるわ。
サフロン:あなたは何の仕事をしているの?
エディナ:サフロン?!
パッツィーは「トップ」の雑誌で「トップ」の編集者をしているのよ!
パッツィー:ファッションディレクターよ。役員なのよ。
サフロン:でも、いつも仕事に行ってないじゃない。
パッツィー:いつも行ってるわよ。
エディナ:私たちの有能な携帯電話さんがいつも仕事をしてくれているからね。
(注:1992年放送のエピソード)
サフロン:彼女が何かに有能ってこと?
エディナ:ううん、彼女は編集社の誰かと寝たのよ。
パッツィー:私はクソ有能だから(イラッ)
エディナ:そうよ、有能なのよ。
サフロン:じゃあ、ファッションディレクターって何をするの?
エディナ:あぁ、サフロン?!
彼女はハーヴィ・ニコルズ(Harvey Nichols:イギリスの高級デパート)で、50%の割引を使えるのよ。
パッツィー:それだけじゃないわよ。
スキルを要する仕事なのよ。
エディナ:そうよ、そうよね。
パッツィー:私が何を雑誌に載せるか決めるのよ。
私が指をパチンとならせば、スカートの裾の丈が短くなるわ。
産婦人科医みたいに自在なのよ。
エディナ:その通りよ。
無料のシャンペンもたくさんもらえるしね。
パッツィー:そうね。
私は、ファ、ファッションをけん引しているのよ。
エディナ:そうよ、たくさんの試供品もたくさんもらえるしね。
あの小さいやつをね。
サフロン:あなたたち、無料でいつも何かをもらってるわよね。
今まで何かにお金を払ったことあるの?
エディナ:あなたのためにたくさんお金を使っているじゃない。
(で、何も言えなくなるサフロン笑)
そして、二人はパッツィーの職場に向かいます。
結局、パッツィーのオフィスに辿り着きますが、自分のオフィスがどこにあるのか分からなくて受付で聞いたり地図を見たりして右往左往します笑。
このエピソードは、ドーン・フレンチ、キャシー・バーク、エイドリアン・エドモンドソンが出演するという贅沢な回です。
おわりに
「Absolutely Fabulous(アブソリュートリー・ファビュラス)」は、エディナの家の中の様子がおしゃれなのでそれを観るのも楽しみです。
キッチン、エントランス、エディナの部屋が変化するのをチェックしています。
20年以上の前のシットコムということもあって、飲酒や喫煙のシーンが多く、また悪態をつくセリフも多いです。
最近の人は、そんなところが「合わない」と感じることもあるようです。
まあ、時代なのかなーと思いますが。
「ティーネイジャーがそのまま大人になったらこんな感じだろうな」
と思いながら観るのがちょうどいいかなと思います。
業界人ならではの強かさだったり、打算的な部分だったり、イギリス女性の強さとか(個人差はもちろんあります)、女性としての愛嬌といったものがミックスされて楽しいシットコムだと思います。
二人の相性もぴったりです。
下ネタも多いですが、スカッと言い切ってくれるので、そこも魅力なのかなと感じます。
こんな風に男性に媚びることなく、自分に素直に(というか本能の赴くままに?)、自由に生きてみたら人生がもっと楽になるかもしれません。
英語のリスニングに使うなら、やはり「英語音声」で「英語字幕」のDVDを使うのがお勧めです。
「アブソリュートリー・ファビュラス(Absolutely Fabulous)」で使われるようなセリフの言い回しを覚えておいても損はないかと思います。
ただ、真似して使わない方がいいものもいくつかあります笑。
Absolutely Fabulous – Absolutely Everything (日本のアマゾン)
Absolutely Fabulous – Absolutely Everything (イギリスのアマゾン)
Absolutely Fabulous: Absolutely All of It(アメリカのアマゾン)
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません